壁にできる傷は、引っかき傷や画鋲の穴、継ぎ目の剥がれなど様々です。そして、その傷の種類に応じて、最適な壁紙補修シールの選び方や使い方も変わってきます。適材適所のシールを選ぶことが、補修跡を目立たなくし、美しい仕上がりを実現するための鍵となります。まず、猫の爪とぎ跡のような「広範囲の引っかき傷」には、小さなシールでは対応しきれません。この場合は、A4サイズ以上の「大判タイプの補修シール」や、ロール状の「リメイクシート」が有効です。傷のある範囲を覆うように、腰壁風に貼ることで、補修と同時にお部屋のイメージチェンジも楽しめます。次に、画鋲やネジの「小さな穴」を補修する場合。この場合は、まず穴に「壁紙用補修パテ」を少量充填し、乾燥させて平らにしておくのがおすすめです。その上から、周囲の壁紙と色柄を合わせた小さな補修シールを貼ることで、凹凸のない完璧な仕上がりを目指せます。パッチのように小さな円形のシールも市販されています。壁紙と壁紙の「継ぎ目が剥がれてきた」というトラブルには、細長いテープ状の補修シールが便利です。しかし、より確実なのは、まず剥がれた部分に「ジョイントコーク」と呼ばれる壁紙専用の接着剤を注入し、ローラーで圧着した上で、その継ぎ目を隠すようにシールを貼る方法です。これにより、再度の剥がれを防ぐことができます。物がぶつかってできたような「部分的な破れ」には、少し高度なテクニックがあります。破れた部分より一回り大きくカットした補修シールを、傷の上にマスキングテープで仮止めします。そして、そのシールの縁に沿って、下の壁紙ごとカッターで切り込みを入れ、古い壁紙とシールを剥がします。すると、傷の形にぴったり合った新しいシールをはめ込むことができ、補修跡がほとんど分からなくなります。このように、傷の状態をよく観察し、それに合った最適な壁紙補修シールとテクニックを選ぶことが、DIY補修を成功に導くのです。