クロスの張り替えをDIYで成功させるためには、初心者でも扱いやすいクロスを選ぶことが非常に重要です。適切なクロスを選ぶことで、作業の難易度が下がり、美しい仕上がりへと繋がりやすくなります。まず、最も初心者におすすめなのは「無地やシンプルな織物調のクロス」です。これらのクロスは、柄合わせの必要がないため、カットする際のロスが少なく、貼り合わせも比較的簡単です。多少のズレや歪みが生じても目立ちにくいため、初めてのクロス張り替えには最適と言えるでしょう。また、明るい色や淡い色のクロスは、部屋を広く見せる効果があり、失敗が目立ちにくいというメリットもあります。次に、DIYの強い味方となるのが「生のり付きクロス」です。あらかじめクロスの裏面に糊が塗布されているため、自分で糊を調合したり塗ったりする手間が省け、作業時間を大幅に短縮できます。糊の量や均一性に悩むこともなく、比較的きれいに貼ることができます。ただし、生のり付きクロスは保存期間が限られているため、購入後は早めに作業に取り掛かるようにしましょう。一般的な生のり付きクロスは、パッケージに有効期限が明記されていますので、必ず確認してください。一方、柄物クロスを選ぶ場合は、いくつかコツが必要です。「リピート(柄の繰り返し)」の少ない柄や、小さな柄のクロスを選ぶと、柄合わせが比較的簡単になります。大きな柄や複雑な柄のクロスは、柄合わせに高度な技術と手間が必要となるため、DIY初心者には難易度が高い傾向があります。柄合わせを行う際は、クロスをカットする際に、必ず前のシートの柄と次のシートの柄が合うように、余裕を持って長めにカットしておくことが重要です。また、クロスの色やデザインを選ぶ際には、実際に貼る部屋の広さや家具とのバランス、そして照明の色合いも考慮しましょう。小さなサンプルで見る印象と、広い面積に貼った時の印象は大きく異なることがあります。可能であれば、大きなサンプルを取り寄せたり、お店で実際に広げて見せてもらったりすると良いでしょう。クロスによっては表面にエンボス加工が施されているものや、汚れ防止加工が施されているものなど、機能性にも着目して選ぶことで、より快適で長持ちするクロスを選ぶことができます。