わが家の築30年の戸建てをフルリフォームすることになった際、私たちは迷わず車で1時間の距離にある私の実家へお世話になることを決めました。仮住まいの賃料を浮かせられるという経済的な理由が一番でしたが、結果としてこの「実家避難」は、リフォーム中の精神的な支えとなりました。工期は4ヶ月という長期にわたり、もしマンスリーマンションで家族4人が過ごしていたら、窮屈さから喧嘩が絶えなかったに違いありません。実家では、両親が孫たちとの生活を喜んでくれ、食事の準備も協力してもらえたことで、リフォームの打ち合わせに全力を注ぐことができました。しかし、実家暮らしも楽なことばかりではありませんでした。仕事を持つ私たちにとって、毎日の通勤時間が往復で2時間増えたことは肉体的にこたえました。また、一度実家を出た身としては、親の生活リズムに合わせなければならない窮屈さもあり、夜遅くの帰宅や洗濯物の干し方などで、微妙な気遣いが必要な場面もありました。リフォーム現場への確認も、週末ごとにしか行けなかったため、細かい仕様の変更を電話で伝えるもどかしさも感じました。こうした実家滞在を成功させるコツは、あらかじめ「生活費をしっかり入れること」と「滞在期間を明確に伝えること」です。親しき仲にも礼儀ありで、毎月決まった金額を渡すことで、お互いに精神的な対等さを保つことができました。また、自分たちの荷物は最低限にし、残りはすべてトランクルームに預けたことで、実家の生活スペースを占領しすぎるのを防ぎました。実家という滞在先は、経済的には最強の選択肢ですが、家族間のコミュニケーション能力が試される場でもあります。両親が健在で、物理的にスペースが確保できるのであれば、これほど心強い場所はありません。工事が終わり、完成したわが家へ戻る際、両親が少し寂しそうにしていたのが印象的でした。リフォームは家を直すだけでなく、離れて暮らしていた親との時間を再び持つきっかけにもなりました。仮住まいの選択肢として実家を検討できるのであれば、単なる節約以上の価値を見出せるかもしれません。
実家へ一時避難して進めたわが家の大改修記録