住宅リフォームの現場で働く3人のベテラン職人に、施主からの差し入れについて本音を聞きました。彼らが口を揃えて言うのは、品物の豪華さよりも「タイミング」と「手軽さ」がいかに重要かということです。まず、飲料については「コーヒーなら微糖か無糖かを選べると助かる」という意見がありました。最近は健康志向の職人も多く、甘い飲み物を控えている人も多いため、数種類のバリエーションがあることが理想的です。また、ペットボトルの場合は500ミリリットルサイズが最も重宝されます。理由は、腰袋のサイドポケットに入れやすく、作業をしながら少しずつ飲めるからです。お菓子に関しては「個包装の塩せんべい」が絶大な支持を集めました。現場作業は汗をかくため、甘いものよりも塩気のあるものを欲することが多いのが理由です。逆に、最も困る差し入れとして挙がったのは「コップ入りの麦茶と手作りのお漬物」でした。昔ながらのおもてなしは温かい気持ちを感じるものの、今の時代、衛生面や作業の中断という観点から、正直なところお断りしづらいプレッシャーを感じてしまうそうです。職人の1人は「施主さんが外出する前に、クーラーボックスに飲み物を入れて置いてくれるのが一番ありがたい。気を使わずに自分のタイミングで飲めるし、その気遣いだけで午後からの作業も頑張ろうという気持ちになる」と語ってくれました。また、差し入れそのものよりも、施主が現場に顔を出して「綺麗になってきましたね」と一言かけてくれることが、職人のモチベーションを上げる最大のスパイスになるという意見もありました。差し入れはあくまで、その良好な関係を築くためのきっかけに過ぎません。職人たちはプロとして報酬に見合った仕事を完遂する義務がありますが、やはり人間同士、施主の温かい眼差しを感じる現場では、無意識のうちに細部までより丁寧に仕上げようという心理が働くものです。これからリフォームを予定している方は、決して義務感に縛られるのではなく、職人さんを自分のチームの一員として迎え入れるような気持ちで、手軽な飲み物1本から差し入れを始めてみてはいかがでしょうか。